空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「望夢くんは治療をすごく頑張っています。

ただ、成果は正直見られません。むしろ、腫

瘍は大きくなってます。つまり、放射線治療

及び抗がん剤治療は効果がなかったというこ

とです。明日の一時帰宅は最後の時間と考え

てください。」

先生の言葉に私の思考は停止した。

そして、次の瞬間。

「今後、望夢くんにいつ何があってもおかし

くないと考えて下さい。」

それって…。どういうこと…?

「わかりました。」

望夢のお父さんがただポツリと言った。

あんなに頑張ったのに。あんなに辛い想い

したのに。何…。

望夢は死ぬの?どうして…。どうして…。

「望夢くんにはどのように伝えますか?」

「なんで。」

私は心の声を思わず外に出してしまった。
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