空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
療の段階で命を落とす危険があるんです。も

し、治療を最後までできたとしても、良くな

っている保証は医者としてできないです。」

立花先生の説明に何も言い返すことはできな

かった。だってそれを決めるのは私じゃない

から。望夢と望夢の家族で決めることだか

ら。

「でも治療の成果が出たら、助かる可能性も

あるんですよね。」

後ろから毎日聞いている愛しい声がした。

「の、望夢…。」

全部聞いていたのかな。どこから聞いていた

のかな。なんで…。

「つぼみのかわいい声が聞こえたから、隠れ

て聞いちゃった。」

強がんないでよ。私が大声出したから…。

望夢のほうが苦しいってわかっているはずな

のに、泣いてしまう自分が情けない。
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