空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
学校帰りにいつも空に願ったこと。「広い青

空の下を望夢と歩けますように」。

好きな人と並んで歩く。「幸せ」ってこうい

うことをいうのかな。

望夢と一緒にいるだけで、ただ笑い合ってい

るだけで、「幸せ」を感じていたのに。

抱きしめたい。キスをしたい。そんなことま

で望んでしまう。

「なぁ、つぼみ。行きたいところあるんだけ

ど。」

「どこ?」って聞いても教えてくれない。望

夢の足が向かう方へついていくだけ。

目の前に広がったのは、いつも見ている風

景。

「望夢…。ここ?」

たどり着いたのは私たちが通う学校で、望夢

は寂しそうに呟いた。

「最後の登校だろうな…。」

最後。望夢を信じたい気持ちと、諦めてしま

う気持ちが胸の内で葛藤する。
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