空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
教室に残って勉強してた日だった。お父さん

の命日だった。悲しみの中でも七色のあの虹

は、全てを忘れられる程美しくて、涙が溢れ

てしまった。

「あの時、見てたの?」

放課後で時間も遅かったから、誰もいないと

思っていた。もし私があの日、学校に残って

いなかったら、今私たちは一緒にいなかった

のかな。

望夢は病気になったけど、私たちが一緒にい

ることって、奇跡なのかもしれない。そんな

ことを考えながら私たちの教室に向かった。

「俺、ここでつぼみたちと授業受けて、弁当

食べていたんだな。」

望夢が懐かしみながら言った。今は、なるみ

と秋斗と3人で望夢の話をする。

4人なのに、4人じゃない。
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