婚姻届と不埒な同棲
「ごめん…。
皆にわかってもらいたかったんだけど…」

「バーでもそうやって謝ってたな。

でも、同級生に言われたことで間違ってないものもあったんだろ。

ドイツに飛ばしたかと思えば、次は日本に呼び戻して。しかも勝手に結婚するって言い出した。
これは全部事実。
だから、その人たちがどう思ってようと構わない。

ただ、萩花が怒ってくれて俺は嬉しかった」

そう言って向けられた屈託のない笑みに、救われた気持ちになる。

「あとは、…悩んでたってやつ」

「悩んでた?

あ!」

美琴ちゃんを前にして放った言葉だ。

まさか。まさか。まさか。
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