婚姻届と不埒な同棲
それから、急に取引先から注文の連絡が入って動き回らなきゃならなくなった。午後からは、午前中とはうって変わってバタバタと慌ただしくなった。


そのせいで、メモのことなんてすっかり忘れてしまっていた。


やっぱり夜は肌寒い。

大きな川にかかる橋を渡ると、水面には街灯が揺れているのが見える。

結局仕事が立て込んで、会社を出たときには19時を回っていた。

橋を渡りきったとき、目の前に黒塗りの車が停まった。

中からは知らない男性が出て来た…。

「お迎えにあがりました」

なんて、私に向かって言っているように見えるけどまさかね。
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