婚姻届と不埒な同棲
「あなたには、今日から高垣家に戻ってもらいます。

そして、錦織グループの御曹司と結婚していただきます」

「…は?」

な、なに?
私は何を言われたの?

高垣家?
結婚?

話が全く見えてこない。
重たい空気がさらに重くなって押し潰されそうだが、わからないものはわからない。

「彼女は高垣家の当主。
あなたの父方の祖母にあたります。

あなたのお父様は、家族の反対を押しきって結婚するために家を捨てたんです」

運転手が口を挟む。

今なんて?
この人が、お父さんの母親?
私の祖母?

そんな…。
信じられない。
ありえない。

こんなの、質の悪いドッキリか何かでしょ。
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