婚姻届と不埒な同棲
そっと耳に当ててみる。

「拓斗くん?」

『萩花?

どうだ。
言っただろ?絶対受かるって』

相変わらず偉そうだな。

でも、その声は嬉しそうで、ひとつも聞き逃したくなかった。だから私は、ざわざわした室内で拓斗くんの声を大事に聞く。

「うん!おめでとう!
今日はお祝いだね」

『あぁ、今から帰るよ』

それから暫くして帰って来た拓斗くんは、大勢の使用人から祝福の声をかけられていた。
夕食は豪勢で、ケーキも用意された。
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