婚姻届と不埒な同棲
今は肩書きなんてないけど、その存在は実質副社長に近い。

ということは、ここでは私の上司か。

しだいに遠ざかっていく拓斗くんの背中。
そんな彼の後ろ姿をずっと見てしまっていた。

「わぁ、社長の息子だぁ」

「本当、いつ見ても格好いいわね。
あれで仕事もできるんだから、駄目な所がないじゃない」

ん?

少し離れた場所で、私と同じように拓斗くんを眺めていた女性社員の会話が聞こえてきた。

たしかに、そうですよね!
駄目な所がないように見えますよね。

実際は違ったりもするんだけど。
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