婚姻届と不埒な同棲
その夜、お風呂を出てすぐに、拓斗くんが待ち構えていた。

「な、なに?」

肩にかけていたバスタオルを取られた。かと思うと、バサリと頭を覆われ、髪を拭かれる。

何も言わない、
一体何がしたいんだろう?
頭を小さく揺らされながら、彼の考えを探る。

「萩花、キスしていい?」

色気を含んだ瞳と、落ち着いた声。

…ついに強行手段に出てきたか。
思わずクラッときそう。

けど、ここで流されたら私はいつまでたっても成長できない。
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