婚姻届と不埒な同棲
「用事ってなに?

まさか、女の人と会ってたりして」

おっと。
思ったよりも責める口調になってしまった。

けど、なんで曖昧な返事をするの?
正直に答えてくれると思ったのに。

あれ、胸が痛い。
隠されたことに、想像を上回るダメージを心に受けたみたい。

私が変な聞き方したのが悪いと言われればそれまでだけど。

「は?

急にどうした?」

「別に外で何してようといいんだけどさ。私には関係ないし。

ただ、拓斗くんは、私が思ってるよりも軽い男なのかもなと思って。
再会して数秒で婚姻届差し出すような人だもん。
他に候補がいてもおかしくないよね」

最悪だ。
棘のある言い回しになってしまう。
もう止められない…。

「なんだよその言い方。
他の女なんている訳ねーだろ」

「…どうだか」

「もういい。こんな話したくない」

ですよね。
雰囲気悪すぎますもんね。
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