婚姻届と不埒な同棲
「まぁ、ちょっと用事」

これでもかと、嫌味満載で言ってやった。

「わかった!
男と会うんだ!

自分が後ろめたいことしてるから俺のことも疑ったんだろ。
日曜日、何があるんだよ」

なんでそんなに大声出してんのよ。
こっちに後ろめたいことなんてあるはずないでしょ。

「何だっていいでしょ。
おやすみなさい」

毛布にくるまって何度も唱える。
明日になったら全部チャラになってないかな。

部屋の空気は対立して膠着したまま、夜は更けていった。
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