婚姻届と不埒な同棲
数日前に、1枚のハガキが届いた。私宛なんて珍しい。

“同窓会のお知らせ”

ハガキにはそう書かれていた。

結局拓斗くんには何も告げず、参加を決めたのだった。

同窓会当日。

ピンクのワンピースを着て、メイクも普段より気合いを入れた。

高校時代の同窓会。
なんだか緊張する。

それよりも、車の中の重苦しい空気だ。淀みすぎて黒い煙が外へ漏れ出ていそう。

後部座席には、フォーマルなスーツに身を包んだ拓斗くんも座っていた。

あれからまともに口をきかず、意地の張り合いが続いている。

わざわざ同じ車で行かなくても、私は電車で行ったのに。
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