婚姻届と不埒な同棲
「萩花じゃね?」

どこからか名前を呼ばれた。

「おー、久しぶりだな!
元気してたか?
お前が同窓会に顔出すとは思わなかったよ」

出会って早々に肩を組んできたのは、小学校からの幼馴染。

「ふーん、同窓会ね」

納得のいったような拓斗くんの声が小さく聞こえる。

あーあ、最後まで内緒にしておきたかったのに。

「でも…。
気安く触らないでください」

少し冷たく言い放つと、肩に回された腕を笑顔で払った。
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