婚姻届と不埒な同棲
「なんで萩花が…?

てか、言ってたって、どういうことだ?」

素直な疑問を飛ばしてくる彼をよそに、私は彼女の隣に立った。

「彼女、昔はよく遊びに来てたでしょ。
庭の掃除してた時によく見かけたもん。

あの頃はまだ中学生だったっけ?」

ついでに言えば、この間も招待状を渡しに拓斗くんに会いに来てた。
でも、そのときは昔の姿と結び付かなかった。
制服姿にメイクもしていたというのもあるだろう。
それに、よく見かけていたかつての彼女は、大抵白のワンピースといったお嬢様らしい格好だったから。

「それで、見ちゃったんだよね。
拓斗くんが、美琴さんと結婚の約束してるところ。
言い逃れなんてさせないからね!」

びしっと拓斗くんを指差してやる。

「お前、酔っぱらってるだろ」

う…。

「酔っぱらってても、ちゃんと覚えてるの!」
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