Who am l ?

玲央は猛スピードで鍵を閉め、
最寄り駅まで走っていく。

家の近くの十字路を左に
曲がると50ｍ先に、友達の
蒼汰がいることに気がついた。

玲央はスピードを上げ、蒼汰の
背中をバシーンッと叩く。

｢痛えよ！玲央、朝から何して
くれてんだ！｣

｢お前、今日寝坊？｣

玲央は華麗に無視した。

｢無視すんな！当たり前だ！
俺は寝坊常習犯なんだよ！｣

いちごジャムを塗りたくった
食パンを食べながら言った。

｢そこは自慢するとこじゃない
だろ笑｣

2人が言い合いをしながら、
走っていると改札が見えてきた。

｢俺が先ー！｣
と蒼汰は言って定期を乱暴に
スキャンすると、改札が閉じて
閉まった。

｢落ち着け、阿呆。｣
玲央は一言言って、電車に
飛び乗った。

そのすぐあとに蒼汰も
乗ってきた。

かなり息が切れている。

｢置いていくのはひどいだろ…。｣

｢え？蒼汰が置いていか
れたんじゃないの？｣

｢聞いた俺が馬鹿だったわ。｣

蒼汰は呆れて、ガクッと
うなだれた。