桜の花になった君に【短編】
風が桜の花を散らせる
そんな中で僕は膝が崩れ涙が溢れる
君に会いに来たのに
やっぱどこにもいない
涙が地面にポロポロと落ちる
すると
地面に落ちた僕の涙とは違う涙が重なった
なんだろう?
思わず見上げるとそこには
君がいた
『ごめんね』
そう囁きながら君も泣いていた
君はもういないはず
でも何でここにいるの?
僕は手を伸ばして君に触れようとした
しかし
君の手に触れた瞬間に
桜の花に変わった
君の姿は幻覚だった