桜の花になった君に【短編】
君は桜の花が好きだった
僕は中学の頃も高校の頃も
桜の花なんて邪魔だと思っていたけど
今はこんなにも愛おしい
君と出会ったあの日から
君が散ったあの日から
一枚ずつ別れる桜の花と重ねて僕は君を思い出す
だから僕はまた君に会いに行く
あの街路樹を超えた先の暖かい日差しの中で
また君の香りがする
季節が変わっても待っている
桜が咲く頃に会いに行くよ
僕が忘れられない
こんなにも愛した
桜の花になった君に