『俺様御曹司の悩殺プロポーズ』の文庫に入れられなかった番外編



やっと理解した頭には、申し訳なさがこみ上げる。



「大栗さん、東島さん、すみませんでした!
私がマヌケなばっかりに、多大なご迷惑を……。

本当にごめんなさい! ありがとうございました!」



私達の謝罪とお礼に、イケメン俳優二人は笑ってこう言ってくれた。



「気にしないで下さい。
困った時はお互い様です」


「そうですよ。その代わり、僕らがピンチの時はお二人に助けてもらいますから、ハハッ」



二人は片手を上げて挨拶してから、歩き去る。


私は感謝と感激の中で、その背中が見えなくなるまで見送った。



「カッコイイ……」



胸がジーンと熱くなる。


見た目だけじゃなく中身もイケメン。

なんてカッコイイ人達なのだろう……。


今度からあの二人の出演するドラマは、必ず見ることにしよう。

あっ! しまった!
サインもらっておくべきだった!
できれば一緒に写真も!

またどこかで会えるかな?
もう会えないかな?

あ〜、サインと写真〜‼︎



私が何を考えているのかは、「カッコイイ」という呟きと表情でバレたみたい。


隣にいる涼さんが私の肩を掴んで、少々手荒に廊下の壁に押し当てた。


左手はズボンのポケットに、右腕はズダンと私の顔横の壁に突き立てて、眉間にシワを寄せている。



不機嫌そうなその顔を見て、慌てた。


私を助けようと動いてくれたのは涼さんなのに、お礼も言わずにイケメン俳優さんのサインと写真が欲しいと考えているなんて。

私ったら、何てことを!

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