『俺様御曹司の悩殺プロポーズ』の文庫に入れられなかった番外編
顔は真っ赤。
心臓を忙しなく働かせて、愛の言葉を口にする。
「涼さんが好きです。大好きです。
涼さんなしでは生きていけないくらいに、世界で一番愛しています……」
耳元に響く「よし」という声からは、不機嫌さが消えていた。
満足げに口角を吊り上げた唇が、私の唇にそっと触れた。
心臓が壊れそうなくらいにドキドキしているのは、誰かに見られるかもしれないと怖れているから……?
ううん、違う。
だって、心は温かくて砂糖菓子みたいにとっても甘いもの。
私は今日も涼さんに、新鮮な恋をしている。
だから、こんなにもドキドキするんだね……。
その夜。
「寝るぞ」と言われて、クイーンサイズの大きなベッドに二人で入った。
あれから涼さんは今日の私の収録を局内でチェックしたらしく、帰ってきてからダメ出しや注文をあれこれ付けてきた。
以前の個人レッスン状態でご指導を賜っていたため、ベッドに入る時間が随分と遅くなってしまった。
私はお昼の番組だから10時前に局入りすればいいけれど、モーニング・ウインドの涼さんは4時ごろ家を出なければならない。
もうすぐ日付けが変わる時間で、早く眠らないと。