イライラさせちゃう鈍いやつ
仕事の帰り、たまたま牧野達が居酒屋から出てくるのを目撃した。
4人とも仲よさそうで、牧野もめっちゃ笑ってる。
すると酔っぱらいが牧野に当たっていって、ふらついたところを吉崎が抱き寄せた。
牧野と吉崎の顔が近付きすぎて「何っ?!」と口走ってしまった。
俺は無意識のうちに近くまで3人のもとに寄って行ってしまっていた。
「あっ、おつかれさまです!」
吉崎が俺に気がついて挨拶すると、続いて牧野と山口も挨拶してくれた。
「お疲れ。今帰り?」
「はいっ。同期集会してました!」
吉崎は元気がいい。
山口は「橋野さん今まで残業ですか?」と聞いてきてたけど、
「ああ。」と言って一瞬そっちを見るけど目は牧野の方にいく。
ちょっと酔ってるかのようなぽわーんとした顔つきだ。
「橋野、お前また飲みすぎてないか?人より酒に弱いんだから量加減しろよ?」
「はい。大丈夫です。」
「もう帰るんなら一緒に帰ろう。」
そう言って3人と駅まで歩いて吉崎と山口は反対方向だったため別々のホームに向かう。