寡黙な御曹司は密かに溺愛している
第3章 運命のお見合い相手
お見合いの日は三連休の最終日に決まり、あっという間に当日を迎えた。
あれから携帯の電源はオフにした。
鳴っても鳴らなくても気になるから。
課長なんて、キライだ。
そう言い聞かせて、向かうお見合いの場所。
私は初めて乗る高級車の後部座席から真っ青な快晴な空を見上げて覚悟を決めた。
テレビでしか見た事のないような高級料亭の一室に通された。最初に目に入ったのは、いかにも高価そうな掛け軸。
一体この掛け軸はいくらくらいするのだろうなんて、そんな貧乏くさいことを考えていると、
「その掛け軸が気になるのか?」
とおじいさんに声を掛けられ、慌てて大きく首を振って「いいえ」と返した。
おじいさんは今までしてあげられなかったからと車の中でも私に何か欲しいものはないかとひっきりなしに尋ねてきた。
きっとこれももし、私が欲しいと言えば買うに違いない。
絶対にいらない。
この今、私が着ている振袖もおじいさんからの贈り物。
振袖なんて二十歳の成人式のときにレンタルしただけで、今になって着たくもないと駄々をこねたけれど、無駄だった。
あれから携帯の電源はオフにした。
鳴っても鳴らなくても気になるから。
課長なんて、キライだ。
そう言い聞かせて、向かうお見合いの場所。
私は初めて乗る高級車の後部座席から真っ青な快晴な空を見上げて覚悟を決めた。
テレビでしか見た事のないような高級料亭の一室に通された。最初に目に入ったのは、いかにも高価そうな掛け軸。
一体この掛け軸はいくらくらいするのだろうなんて、そんな貧乏くさいことを考えていると、
「その掛け軸が気になるのか?」
とおじいさんに声を掛けられ、慌てて大きく首を振って「いいえ」と返した。
おじいさんは今までしてあげられなかったからと車の中でも私に何か欲しいものはないかとひっきりなしに尋ねてきた。
きっとこれももし、私が欲しいと言えば買うに違いない。
絶対にいらない。
この今、私が着ている振袖もおじいさんからの贈り物。
振袖なんて二十歳の成人式のときにレンタルしただけで、今になって着たくもないと駄々をこねたけれど、無駄だった。