20代最後の夜は、あなたと
「待てよ、本題の話するから」


ソファーに座らされ、伊勢くんも隣に座った。


「あ、あの、ごめん、怒られる理由わかんないけど」


「は?


怒るわけないだろ。


なんかやらかしたのか?」


「い、いえ、何もやらかしてないとは、思いますけど」


伊勢くんは私をチラッと見ると、大きく息を吸ってから、


「おまえ、休み中霧島課長に告白されただろ?」


本題を吐き出した。


「えっ、まあ、そうです」


「俺も、おまえが好きだ。


入社式で会ってから、ずっと」


「え?」


青天の霹靂、ってこういう状況のことをいうんだっけ。


「一緒に、ナイター観に行っただろ?


本当はあの日、おまえに告白しようと思ってた。


だけど、次の日に課長と会うってわかって、情けねーけど俺言えなくなっちゃってさ」


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