20代最後の夜は、あなたと
私は月曜の夜から悶々と悩み続けたあげく、水曜の夜になってから霧島課長にメッセージを送った。


『先週金曜日の夜に、品川駅のホームで課長をみかけました。


女性が隣にいて、腕を組んでいました。


言い訳は聞きたくありません。


課長とは、ほんの短いおつきあいでしたが、私はもうすべて忘れることにします。


なかったことにしてください。


ありがとうございました』


何度も何度も書いては消してを繰り返し、送信する時は手が震えた。


送信してすぐにブロックし、連絡先も削除した。


これでいいんだ。


やっぱり、課長と私は不釣り合いだったんだ。


っていうか、私って男運ないんだな。


しばらくは、おとなしくしてよう。


伊勢くんとも、仲のいい同期でいよう。


そう誓いながら、眠りについた。


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