20代最後の夜は、あなたと
課長は、出張に関係する書類を書いているようだった。


良かった、私のことなんか眼中にない。


私もようやく、仕事にうちこむことができた。


ランチから戻ってホワイトボードを見ると、課長は外出して17時戻りと書いてあった。


17時なら、戻らないで直帰すればいいのに。


「宮本さん、課長が資料揃えておいてくれって言ってたから、よろしくね」


「はい、わかりました」


私のデスクの上には、課長が書いたと思われるメモが貼ってあった。


「なんでこんなに大量なの?」


思わず独り言が出ちゃうほど、尋常じゃない量だった。


なにこれ、嫌がらせ?


17時に戻るまでにやればいいんだから、急ぎの仕事を終わらせてから資料室へ行こうと思った。


「宮本、悪いけどこっち手伝ってくんない?」


「うん、わかった」


伊勢くんに頼まれたデータ入力もやって、資料室に向かったのは16:30だった。


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