20代最後の夜は、あなたと
ゴルフや観光へ向かう一団がはけたあと、伊勢くんと私はバスに乗って別府へ向かった。


湯布院から別府までは、1時間くらいのバス旅だ。


二人で伊勢くんのスマホを見ながら、ここに行こうとかこれ食べたいとか、盛り上がっているうちに別府についた。


源泉をめぐる「地獄めぐり」をして、足湯があれば入り、温泉たまごを食べた。


「短パンはいてきて正解だったね」


「だろ?」


「気持ちいいなー、癒される」


「俺も」


「いつも旅行くると思うんだけど、東京に帰りたくなくなるよね」


「東京には東京の良さがあるだろ。


俺とも会社で会えるし」


「なにそれ、変なの」


「宮本」


「ん?」


「好きだ」


それはあまりにも突然の告白で、私はフリーズしてしまった。


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