20代最後の夜は、あなたと
コバルトブルーのきれいな源泉と、たくさんの湯気を目にしながらの告白なんて、もう一生ないと思う。


伊勢くんからの、2回目の告白。


「聞こえた、よな?」


「うん、聞こえた」


「霧島課長は、もっとカッコいい告白したんだろ?」


「比べたりしてないよ」


「俺が気にしてんだよ」


「私も、伊勢くんが好きだよ。


一緒にいて楽しいし、伊勢くんは優しいし。


けど、今はまだ早い・・・」


最後まで、言えなかった。


伊勢くんが、私の方へ手を伸ばして、私の前髪を押さえて、おでこにそっとキスしたから。


「早くねーから。


一緒にいたいってだけで、充分だから」


霧島課長は、おでこにキスしてくれたっけ?


そもそも、私は霧島課長のどこが好きだったんだっけ?


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