20代最後の夜は、あなたと
クリスマスの夜
結局、週末は伊勢くんを無視し続けた。
土曜も日曜も直接、家に来てくれたし、電話やメールやありとあらゆる手段で私に連絡を取ろうとしてくれた。
スマホの電源も切り、部屋の電気もつけず、一歩も外に出なかった。
日曜の夜、インターホンが鳴ったから画面を見ると、霧島課長が立っていた。
なんで課長まで?
驚いて、エントランス解錠ボタンを押してしまった。
どうしよう。
課長が一歩一歩近づいてくる気配に慌ててしまい、スッピンで部屋着っていう自分の格好にも気づかなかった。
部屋のインターホンが鳴り、おそるおそるドアを細く開けた。
「生きてるか」
「はい」
「入るぞ」
「はい」
言われるがまま、ドアを開けた。
「無理すんなよ」
課長は私を、優しく抱きしめた。
不思議だ。
誰も受け入れたくない気持ちだったのに、すんなり課長の胸に顔をうずめた。
「伊勢とすれ違ったぞ。
アイツのこと、避けてんのか?」
「もう、無理かな、って」
「ちゃんと伊勢と話せ。
じゃないと、俺が紗和を奪えないだろ」
「何言ってるんですか」
思わず、笑ってしまった。
「おっ、笑ったな。
ちょっとは落ち着いたか?」
「はい」
「明日は出社しなくてもいいからな。
いろいろ買ってきたから、少しは食べろよ」
滞在時間は短かったけど、課長に救われた。
土曜も日曜も直接、家に来てくれたし、電話やメールやありとあらゆる手段で私に連絡を取ろうとしてくれた。
スマホの電源も切り、部屋の電気もつけず、一歩も外に出なかった。
日曜の夜、インターホンが鳴ったから画面を見ると、霧島課長が立っていた。
なんで課長まで?
驚いて、エントランス解錠ボタンを押してしまった。
どうしよう。
課長が一歩一歩近づいてくる気配に慌ててしまい、スッピンで部屋着っていう自分の格好にも気づかなかった。
部屋のインターホンが鳴り、おそるおそるドアを細く開けた。
「生きてるか」
「はい」
「入るぞ」
「はい」
言われるがまま、ドアを開けた。
「無理すんなよ」
課長は私を、優しく抱きしめた。
不思議だ。
誰も受け入れたくない気持ちだったのに、すんなり課長の胸に顔をうずめた。
「伊勢とすれ違ったぞ。
アイツのこと、避けてんのか?」
「もう、無理かな、って」
「ちゃんと伊勢と話せ。
じゃないと、俺が紗和を奪えないだろ」
「何言ってるんですか」
思わず、笑ってしまった。
「おっ、笑ったな。
ちょっとは落ち着いたか?」
「はい」
「明日は出社しなくてもいいからな。
いろいろ買ってきたから、少しは食べろよ」
滞在時間は短かったけど、課長に救われた。