20代最後の夜は、あなたと
「課長、終わりました」
「ありがとな」
「それでは、お先に失礼します。
よいお年をお迎えください」
「待てよ、俺も帰るから。
あと、ハガキはポストに投函しといて」
「・・・はい」
もう、最後の最後まで仕事を押しつけるなんて。
課長は、いそいそと帰り支度をしている。
なんでそんなに嬉しそうなのか、さっぱりわかんないけど。
「待たせたな、帰るぞ」
電気を消して戸締まりをして、エレベーターに乗ってエントランスを出るまで、無言だったと思う。
目の前にあるポストにハガキの束を突っこみ、後ろにいる課長に挨拶しようと振り返ったら、課長が消えていた。
「あれ、課長?」
キョロキョロすると、少し離れたガードレールに寄りかかっていた。
そんなとこで何やってるんだろ、と思って近づいたら、課長は崩れるように座りこんだ。
「ちょ、ちょっと課長、大丈夫ですか?」
思わず駆け寄って手を支えたら、ものすごく熱かった。
首筋にふれると、驚くほど熱い。
「課長、たぶん熱ありますよ。
いつから体調悪いんですか?」
「・・・よくわからない」
弱々しい声で、とても一人にはしておけなかった。
「ありがとな」
「それでは、お先に失礼します。
よいお年をお迎えください」
「待てよ、俺も帰るから。
あと、ハガキはポストに投函しといて」
「・・・はい」
もう、最後の最後まで仕事を押しつけるなんて。
課長は、いそいそと帰り支度をしている。
なんでそんなに嬉しそうなのか、さっぱりわかんないけど。
「待たせたな、帰るぞ」
電気を消して戸締まりをして、エレベーターに乗ってエントランスを出るまで、無言だったと思う。
目の前にあるポストにハガキの束を突っこみ、後ろにいる課長に挨拶しようと振り返ったら、課長が消えていた。
「あれ、課長?」
キョロキョロすると、少し離れたガードレールに寄りかかっていた。
そんなとこで何やってるんだろ、と思って近づいたら、課長は崩れるように座りこんだ。
「ちょ、ちょっと課長、大丈夫ですか?」
思わず駆け寄って手を支えたら、ものすごく熱かった。
首筋にふれると、驚くほど熱い。
「課長、たぶん熱ありますよ。
いつから体調悪いんですか?」
「・・・よくわからない」
弱々しい声で、とても一人にはしておけなかった。