20代最後の夜は、あなたと
迷って迷って、だした結論
帰省しても気持ちが晴れることはなく。


伊勢くんに何回か電話したけど、やっぱり出てくれなかったし。


実家の両親は気づいているのかいないのか、いつもみたいに、


「紗和、○○ちゃん結婚するんだって。


いい人いないの?」


とか口撃をうけることはなかった。



年が明けて、親戚と会ったり実家でのんびり過ごしていた。


伊勢くんとは、相変わらず連絡がとれなかった。


3日に、地元の同級生と飲みに行った。


「紗和、久しぶり!」


「みんな元気そうだね」


「紗和はキレイになったよな、さすが東京で暮らしてるだけあるよな」


「そんなことないし」


男女8人が集まり、3時間があっという間に過ぎた。


「突然だけど、俺たち結婚しまーす!」


同級生の男女二人が立ち上がり、宣言した。


「おめでとう!」


「結婚式には呼べよ!」


祝福ムードになり、気のせいかもしれないけど視線を感じた。


集まった中で結婚してないのは、バツイチ男子一人と私だけだったから。


「紗和はかわいいのに、誰ともつきあってないの?」


「誰もいないなら、俺がもらってやるぞ」


「あんたはすでにバツイチでしょーが」


「いないわけじゃないけど、どうも決められなくて」


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