20代最後の夜は、あなたと
「結婚を美化するつもりはないけど、やっぱタイミングだよ」
「そうそう、しなくてもいいけど、一度くらいしてみよっか、くらいでいいんじゃね?」
「そういう風に軽すぎるから離婚したんじゃないの?」
「うるせー」
みんなの経験談は、参考にはなったけど。
みんな大人になったんだなー、とか感傷にひたるばっかりだった。
別れ際に、
「紗和、なんか悩んでるみたいだけど、いつでも電話してきてね」
さりげなく言われて、嬉しかった。
明日は東京へ戻り、明後日から仕事だと思うと憂鬱だ。
みんなと別れて、伊勢くんに電話した。
電話するのが日課になっていた。
出るわけないと思ってたら、すぐにつながった。
「あ、え、伊勢くん?」
『そうだけど』
「えっと、明けましておめでとう」
『おめでとう』
「怒らせるようなことして、ごめんね。
でも、誤解だから」
『紗和はそうかもしんねーけど、課長は違うだろ。
俺こそ、ちっちゃいことで怒鳴ったりしてごめん』
「年越しちゃったけど、仲直りできて良かった」
『明日、会える?』
「うん、明日のお昼過ぎには東京駅に着くから、それからでもよければ」
『早く会いたいから、東京駅まで迎えに行く』
「えっ?」
『何度も言わせんなよ』
「ありがと、いま手元に切符ないから、あとで教えるね」
「そうそう、しなくてもいいけど、一度くらいしてみよっか、くらいでいいんじゃね?」
「そういう風に軽すぎるから離婚したんじゃないの?」
「うるせー」
みんなの経験談は、参考にはなったけど。
みんな大人になったんだなー、とか感傷にひたるばっかりだった。
別れ際に、
「紗和、なんか悩んでるみたいだけど、いつでも電話してきてね」
さりげなく言われて、嬉しかった。
明日は東京へ戻り、明後日から仕事だと思うと憂鬱だ。
みんなと別れて、伊勢くんに電話した。
電話するのが日課になっていた。
出るわけないと思ってたら、すぐにつながった。
「あ、え、伊勢くん?」
『そうだけど』
「えっと、明けましておめでとう」
『おめでとう』
「怒らせるようなことして、ごめんね。
でも、誤解だから」
『紗和はそうかもしんねーけど、課長は違うだろ。
俺こそ、ちっちゃいことで怒鳴ったりしてごめん』
「年越しちゃったけど、仲直りできて良かった」
『明日、会える?』
「うん、明日のお昼過ぎには東京駅に着くから、それからでもよければ」
『早く会いたいから、東京駅まで迎えに行く』
「えっ?」
『何度も言わせんなよ』
「ありがと、いま手元に切符ないから、あとで教えるね」