20代最後の夜は、あなたと
伊勢くんと仲直りできたのが嬉しいのか、ケンカしたまま仕事したくないから嬉しいのか、よくわからなかったけど。
明日久しぶりに会うのに、何着ていこうとか、ピアスどれにしようとか、そういう盛り上がる気持ちがわかなかった。
伊勢くんの顔見たら、変わるかもしれないし。
なにより、プロポーズの返事をしないといけないし。
伊勢くんと会ってどんな気持ちになるかで、返事を決めようと思った。
実家を出る前にお母さんが、
「紗和、なんだか疲れてるみたいだけど、ちゃんと食べてるの?」
心配そうに小声で聞いてきた。
久しぶりに会うと、そんな風に見えるんだ。
「平気だよ、じゃあごちそうさま」
弟が駅まで車で送ってくれた。
「姉ちゃん、オトコ関係で悩んでんだろ」
「なによ、いきなり」
「前帰ってきた時より、痩せてるから」
「そんなことないけど」
「痩せたっていうか、老けた?」
「ちょっと、それはひどいんじゃないの?」
「とにかく、父さんと母さんを安心させてやれよ、な?」
急に年上みたいな捨て台詞を残し、弟は帰っていった。
明日久しぶりに会うのに、何着ていこうとか、ピアスどれにしようとか、そういう盛り上がる気持ちがわかなかった。
伊勢くんの顔見たら、変わるかもしれないし。
なにより、プロポーズの返事をしないといけないし。
伊勢くんと会ってどんな気持ちになるかで、返事を決めようと思った。
実家を出る前にお母さんが、
「紗和、なんだか疲れてるみたいだけど、ちゃんと食べてるの?」
心配そうに小声で聞いてきた。
久しぶりに会うと、そんな風に見えるんだ。
「平気だよ、じゃあごちそうさま」
弟が駅まで車で送ってくれた。
「姉ちゃん、オトコ関係で悩んでんだろ」
「なによ、いきなり」
「前帰ってきた時より、痩せてるから」
「そんなことないけど」
「痩せたっていうか、老けた?」
「ちょっと、それはひどいんじゃないの?」
「とにかく、父さんと母さんを安心させてやれよ、な?」
急に年上みたいな捨て台詞を残し、弟は帰っていった。