20代最後の夜は、あなたと
ボーッと眺めていたら、霧島課長と目が合ってしまった。


ヤバイ、ジャマすんなって怒鳴られる。


目が泳いでいたのか、伊勢くんの方を見たら、


「どうした宮本、なんか変だけど?


・・・あー、そういうことか」


霧島課長たち二人を見て、納得したらしかった。


「ここはもういいか?


次行くぞ」


伊勢くんは、まさかの恋人つなぎをして私を二人から遠ざけた。


モデルのような二人を見て、なぜか胸がざわついた。


2時間近くかけてゆっくり見ていたせいか、ショールームを出たとたんドッと疲れがおしよせた。


「早く戻って整理しようって言いたいとこだけど」


「けど?」


「少し休憩してからでもいいよな」


伊勢くんは、ほとんど記憶にないような笑顔を見せて、通りの向こう側にあるカフェを指差した。


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