20代最後の夜は、あなたと
伊勢くんとお茶しながら、さっきまでいたショールームのことを情報交換した。


やっぱり、男性と女性では見るところが違うのか、お互いに気づかなかったことがわかった。


「私、伊勢くんのこと誤解してたかも」


「なんだよ、誤解って」


「私が今の部署にうつってまだ2年しかたってないし、伊勢くんのお手伝い始めて数ヶ月っていうのもあるけど、同期なのに接点なかったし、もっと取っつきにくい人かと思ってたから」


「心外だな」


「だって、必要最低限のことしか話さないし」


「仕事中にペラペラしゃべってる方がおかしいだろ」


「そりゃそうだけど」


「俺は、宮本のことをもっと前から知ってたけど」


「えっ、どういう意味?」


「なんか知んないけど、おまえがドーンって落ち込んでる頃に、俺たち一緒にイベントの手伝いしたじゃん」


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