20代最後の夜は、あなたと
そして、今日は社内コンペの前日。


みんな割と遅くまで残るのかと思ったら、霧島課長と伊勢くんと私だけだった。


黙々とデザイン画を作成し続ける私。


私の目の前には伊勢くんがいて、右隣には霧島課長がいる。


この人口密度の高さが、少し息苦しい。


「お先に失礼します」


「お疲れ」


「お疲れさま、伊勢くん」


・・・って、伊勢くん、私を課長と二人きりにしないでー!


目で訴えてみたけど全然伝わらず、伊勢くんは帰ってしまった。


もう少しの辛抱だ、耐えるんだ私。


「宮本、これ飲むか」


「あ、ありがとう、ございます・・・」


霧島課長が、私のデスクに缶コーヒーを置いた。


ちょうど飲みたかったんだー、ありがたくいただこう。


ゴクリと一口飲んだ私を待っていたかのように、


「それ、賞味期限切れてるけどな」


霧島課長は、不適な笑みを浮かべていた。


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