20代最後の夜は、あなたと
「えーっ、もう飲んでしまいましたよ!」


慌てて缶の底を見ると、賞味期限はまだまだ先だった。


「なんでこんな子どもみたいなイタズラするんですか!」


「悪い悪い、そんな簡単に引っ掛からないと思って」


「忙しいのに邪魔しないでください!」


「宮本が、怖い顔して仕事してるからさ、リラックスさせてやろうとしたんだろ、感謝しろよ」


何なんだこの人。


もう関わりたくない。


その時、先日見た医務室での光景がよみがえってきた。


「そういえば、奈緒に何したんですか?」


「なんだおまえら、知り合いか?」


「親友です」


「親友のおまえにも、詳しいことは話してないってことか」


「聞いたんですけど、まだ話したくないって言ってました」


「じゃあ、話したくなるまで待っててやれよ」


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