20代最後の夜は、あなたと
なんなんだ、いったい。


修羅場を間近で目撃しちゃったよ。


ポツンと一人オフィスに残され、どうしていいかわからなくなった。


とりあえず少し残っていた仕事を片づけ、プリントアウトして帰り支度をした。


真っ暗になったオフィスは、さっきまでの出来事が嘘みたいで。


駅に向かいながら、奈緒に電話した。


『もしもし』


「奈緒、今どこ?」


『もうすぐ家だよ』


「私、今から行くから!」


『・・・うん、待ってる』


奈緒の弱々しい声は、女の私でもどうにかしてあげたくなる可愛らしさだった。


マンションに着くと、シャワーを浴びてスッキリした奈緒がいた。


「ビールとハイボールとサワーと、適当にツマミ買ってきた」


「ありがと紗和、入って」


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