20代最後の夜は、あなたと
「うちの顧客って、そんなに若い女性多いのか?」


「それは・・・」


「リフォームで来られるお客さまは、ご年配の方が多いんじゃないのか。


色を増やすということは、リスクも伴うんだ。


そこまでちゃんと考えろ、以上」


「あ、ありがとうございました」


涙を必死でこらえた。


入社以来、こんなに厳しく言われたことはなかった。


頭の上に、大きな岩を何個も積まれた気分だ。


霧島課長が言っていることは、もっともなことなんだけど。


そんな言い方しなくたって・・・と、思ってしまう。


「おい、大丈夫か」


伊勢くんが声をかけてくれたけど、うなずくのが精一杯だった。


あんなに頑張ったのに、また選ばれないんだろうな。


仕事は好きだけど、こういう時は気が滅入ってしまう。


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