20代最後の夜は、あなたと
「おはようございます」


「おはよう」


霧島課長は、コーヒーを飲んでいた。


私が持っているコーヒーと同じものだった。


友達だったら、コーヒーかぶっちゃったね、とか話ができるのにな。


挨拶から会話が続かない。


こんなんじゃ、1時間半も耐えられない。


「宮本は、大学から東京に来たんだろ?」


えっ、霧島課長から話しかけてきた。


「はい、そうです」


「ちょくちょく仙台には帰ってるのか」


「はい、ゴールデンウィークにも帰りました」


「そうか」


今度は、私から話しかけないとまずいよね。


「霧島課長はどちらのご出身ですか?」


興味なんてないけど、話の流れとしてはこのくらいの質問しか思いつかない。


「俺はずっと東京だ」


「そうなんですね」


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