20代最後の夜は、あなたと
不思議だ。


今までは、言い方とかキツくて嫌いだったけど、1対1で話していると、会社じゃないこともあるのか、そんなにイヤじゃない。


相づちを打つだけじゃなく、自分の経験や考えを話したり、いつのまにか話が脱線してプライベートのことも話してしまっていた。


あっという間に仙台駅につき、少し早いけどお昼を食べてから工場まで行くことにした。


「工場から車で迎えに来てくれるそうだから」


「わかりました」


駅に迎えがくるので、駅の近くでお昼を済ませないといけない。


相変わらず、バケツをひっくり返したような雨が降り続いている。


「宮本、どっかいい店知ってるか?」


「牛タンとお寿司ならどちらがいいですか?」


「寿司だな」


「では、こちらです」


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