20代最後の夜は、あなたと
ひどい雨だし、駅ナカで済ませようと思い、立ち食いだけどおいしいお寿司屋さんへ入った。


ランチにはまだ時間が早いせいか空いていて、どれもおいしかった。


いいです、って断ったけど、課長はおごってくれた。


「俺の方が圧倒的に稼ぎがいいからな」


皮肉を言い添えるとこは、霧島課長らしいけど。


「ごちそうさまでした」


「宮本を連れてきて正解だったな」


「お役に立てて良かったです」


それが目的だったのかい!って突っこみたかったけど。


工場からの迎えが来て、車に乗った。


実際にシステムキッチンができあがっていく過程を見るのは、すごく楽しかったし、勉強になった。


お客さまのお手元に製品が届くまで、こんなにもたくさんの人たちが関わっていることを、あらためて実感した。


今後の発注の件などの確認も済ませ、また駅まで送ってもらった。


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