20代最後の夜は、あなたと
「あがったぞ、宮本も入れば」


「は、はい・・・って、ちょっと、なんですかその格好」


「え、俺はいつもこうだけど」


霧島課長は、上半身裸で肩からタオルをかけていた。


「湯冷めしますよ、服を着てください!」


「わかったよ」


私は、駅で買ったものや、ササッと作ったつまみをテーブルに出し、


「先に飲んでてくださいね」


お風呂に入った。


湯船につかりながら、霧島課長のことを考えてた。


急に抱きしめたりして、どういうつもりなんだろう。


数年ぶりの、男性の力強さや肌に、正直ドキドキしていた。


でも、霧島課長といえば、奈緒を傷つけたゲス男だし。


あぶないあぶない、危うくだまされるとこだった。


長く一人でいる私を、からかってるに違いない。


冷静さを取り戻し、お風呂から出た。


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