20代最後の夜は、あなたと
「うん、よくできてる」


満足そうに笑った霧島課長の顔を見たら、緊張が一気にとけて泣いてしまった。


「なんだよ宮本、泣くことねーだろ」


「すみません、ちょっと、安心しちゃって」


「俺たち頑張ったもんな」


伊勢くんが、私にハンカチを渡してくれた。


「伊勢くん、ありがと」


「じゃあ、今日は3人で飲みに行くか」


「もちろん、霧島課長のオゴリですよね?」


「しょーがねーな、伊勢の頼みなら聞いてやるよ」


そのまま、3人でダイニングバーへ向かった。


最初は仕事の話ばかりしてたけど、多少酔いがまわってきた頃、


「課長はモテるみたいですけど、本命の彼女っているんですか?」


伊勢くんが突っこんだ。


「まあ、女には不自由してねーけど、普通はまず『結婚してる』とか聞くんじゃねーの?」


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