20代最後の夜は、あなたと
「宮本って、彼氏いんの?」


・・・いったいなんなの?


今日の課長は、なんかおかしい。


「課長、今の質問はセクハラです」


「そっか?


で、彼氏いんの?」


何を言っても通じない人種なんだ。


「いません」


「ふーん」


・・・えっ、なにその反応?


そこから何か話題が広がるとかもなく、終了?


「では、失礼します」


今度こそ立ち上がると、課長は私の手首をつかんで引き寄せ、私をもう一度ソファーに座らせた。


目の前に、霧島課長の端正な顔がある。


あれ、いつメガネ外したんだろう。


そんな、どうでもいいことを考えていたら、課長は私にキスしてきた。


頭の中は、なんで?とハテナマークであふれかえった。


すごく長く感じたけど、一瞬だったのかもしれない。


次の瞬間、私は課長を思いっきり押していた。


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