20代最後の夜は、あなたと
そして、ナイター観戦当日。


天気は快晴で、暑すぎるくらい。


夕方待ち合わせ場所へ行くと、伊勢くんはもう立っていた。


「ごめん、お待たせ」


「俺も今来たとこ」


「なんか、スーツじゃないと感じ違うね」


伊勢くんはグレーのTシャツに淡いピンクの短パンだったから、スーツとのギャップがいい意味で激しかった。


さわやかだし、似合ってる。


「宮本も、だいぶ違うけど」


「暑さ対策優先だからね」


私は、白いノースリーブのブラウスに水色のクロップドパンツ。


「じゃ、買い出しに行くか」


球場近くのお店でツマミを買ってから外野席に座った。


「やっぱ、テレビとは違うよね。


小学生以来だから記憶なかったけど、開放感がすごい」


「だよな、やっぱ生はいいよな」


「なんか、伊勢くんが言うと生ビールに聞こえるけど」


< 80 / 197 >

この作品をシェア

pagetop