20代最後の夜は、あなたと
ビールを飲み、からあげを食べて、大声で応援して、拍手して、伊勢くんと何度もハイタッチした。
何度も得点が入るシーソーゲームで盛り上がったし、ひいきのチームも勝ったし、私たちはいい気分で球場をあとにした。
混雑する出入口を抜けて駅まで歩き出したとたん、大粒の雨が降ってきた。
「すごい雨、どうしよう?」
「走れるか?」
伊勢くんは、さりげなく私の足元をチェックした。
私はスニーカーだったから、
「だいじょぶ、走ろう!」
と返事した。
伊勢くんは私の手を握ると、適度に引っ張りながらゆっくりめに走ってくれた。
駅に着くと、汗なのか雨なのかわからないけどびしょ濡れだった。
「うわー、濡れちゃった」
伊勢くんは、私を黙って見たあと、
「宮本、タオルかハンカチある?」
と、なぜか目を合わせないまま聞いてきた。
何度も得点が入るシーソーゲームで盛り上がったし、ひいきのチームも勝ったし、私たちはいい気分で球場をあとにした。
混雑する出入口を抜けて駅まで歩き出したとたん、大粒の雨が降ってきた。
「すごい雨、どうしよう?」
「走れるか?」
伊勢くんは、さりげなく私の足元をチェックした。
私はスニーカーだったから、
「だいじょぶ、走ろう!」
と返事した。
伊勢くんは私の手を握ると、適度に引っ張りながらゆっくりめに走ってくれた。
駅に着くと、汗なのか雨なのかわからないけどびしょ濡れだった。
「うわー、濡れちゃった」
伊勢くんは、私を黙って見たあと、
「宮本、タオルかハンカチある?」
と、なぜか目を合わせないまま聞いてきた。