20代最後の夜は、あなたと
ランチは奈緒と時間が合ったから、近くのカフェに向かった。


「あー、ここのシナモントースト食べると落ち着く!」


満足してモグモグたべてる私。


「あのさ、休み中になんかあったでしょ」


「へ?」


「そのスカート、久しぶりに見たし」


「あっ、えっと・・・休み中にクローゼット整理してさ、奥から出てきて、ね?」


本当は、課長に見られることを意識して選んだ。


課長はそんなとこ、気づくわけないのに。


「ま、言いたくないならいいけどね」


課長のことでいろいろあった奈緒には、まだ言えないと思っていた。


それにしても。


夏休み中にドライブして、告白されて、課長と一晩過ごしたのに。


休み明け出社してみたら、前と同じキツい態度って、なんなの?


特別な存在なんだから、少しは優しくしてくれたっていいじゃん。


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