35階から落ちてきた恋

「美知子さんが待ち構えてるんですね」
もはや笑うしかない。

「進藤さんのサインでも貰って持っていこうかな・・・」と呟いてしまった。

「それなら、LARGOのメンバー全員のを準備しましょうか?よかったら、クリニックのご希望のスタッフ分準備しますよ」

「さすがに慣れてるんですね」

「日常茶飯事なんで」

「まさか進藤さんの女性関係が?」
ニヤッと笑うと、
「そんな事言ったら貴斗に絞められますから冗談でも勘弁してください」
木田川さんも苦笑する。

すると「果菜ー」とリビングから私を呼ぶ進藤さんの声が聞こえて私たちは顔を見合わせて笑った。

タイミングが良すぎる。
進藤さんって地獄耳なのかも。

明日の朝は進藤さんと木田川さんが職場に送ってくれて、帰りもお迎えに来てくれるということに決まる。
その他の細かい打ち合わせも終わって木田川さんと青山君は帰って行った。

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