35階から落ちてきた恋
「お前、何かやったの?ケンカか?こんな時にバカじゃないの」
進藤さんの蔑むような言葉に私もこくこくと何回も頷いてやる。
「だから、ケンカじゃねーし」
「妻の入院中に若い女性と流行りの高級レストランで二人で食事を楽しんでるのはいかがなものかと思いますけどっ!」
「そんなことまで知ってんの?」
絶句するヒロトさんに私は攻撃の手を緩めない。
「妻が入院中ですよ。しかも、切迫流産で。絶対安静でお腹の赤ちゃんを守ってるっていうのにダンナさんが若い女性とデートとか信じられません。ですから、ヒロトさんからのお願いはお断りします」
「果菜ちゃーん、そんなこと言わないでくれよ。頼むよ、な」
「いやです。絶対に」
「果菜ちゃん」と私にぐっと近付いて「お願い」と頭を下げるヒロトさんに「いやです」と顔をそむける私は平行線だ。
「おい、ヒロト。あんまり果菜に近付くな」
進藤さんが私たちの間に割って入ってヒロトさんを遠ざけてくれるからこれ幸いに私は進藤さんの背中に隠れる。
ヒロトさんは「頼むよー」と切なげなワンコみたいな声を出した。
進藤さんの蔑むような言葉に私もこくこくと何回も頷いてやる。
「だから、ケンカじゃねーし」
「妻の入院中に若い女性と流行りの高級レストランで二人で食事を楽しんでるのはいかがなものかと思いますけどっ!」
「そんなことまで知ってんの?」
絶句するヒロトさんに私は攻撃の手を緩めない。
「妻が入院中ですよ。しかも、切迫流産で。絶対安静でお腹の赤ちゃんを守ってるっていうのにダンナさんが若い女性とデートとか信じられません。ですから、ヒロトさんからのお願いはお断りします」
「果菜ちゃーん、そんなこと言わないでくれよ。頼むよ、な」
「いやです。絶対に」
「果菜ちゃん」と私にぐっと近付いて「お願い」と頭を下げるヒロトさんに「いやです」と顔をそむける私は平行線だ。
「おい、ヒロト。あんまり果菜に近付くな」
進藤さんが私たちの間に割って入ってヒロトさんを遠ざけてくれるからこれ幸いに私は進藤さんの背中に隠れる。
ヒロトさんは「頼むよー」と切なげなワンコみたいな声を出した。