35階から落ちてきた恋
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夜23時50分。
私はクッションを抱えてベッドに座りラジオを聞いている。
LARGOの3人はミュージシャン仲間のラジオ番組にゲスト出演していた。
ああ、この声。
私は生で聞いていたんだな。
なんて贅沢をしていたんだ。
あれからLARGOのCDとライブDVDを大人買いして聴いている。
大出費だったけれど、買ってよかったと思う。
心に響く曲ばかりでその後の激務に耐える活力になってくれた。
ラジオを聴いていてああ、これジャージのヒロトさんの声だとかヒロトさんだとかわかるのも感動。
でも、なかなか進藤さんの声がしない。
ラジオなんだから声が聞こえないと存在感がないんですけど?進藤さん元気にしているのかな。
まさか、あれから咽頭炎が悪化して声が出せないんじゃあ・・・と心配していたところで聞きたかった声が飛び込んできた。
「タカトも何か喋らないとリスナーさんに伝わらないよ」
「あー、昨日まで曲作りで籠っていたから調子が出ないんだよ」
「いい曲できたのか?」
「ああ、インスピレーションが湧いてきて一気に何曲かできた。期待してくれていいから」
「すごいな、天才かお前」
「まあな」
わははは~っとにぎやかな笑い声がして音声がリクエスト曲に変わる。
元気そうでよかった。
進藤さんの声だった。
その曲を聴けるのはいつなんだろう。
当分先なんだろうけど、早く聴いてみたい。
でも、
それは思いの外早くやってきたのだった。